We Are The Triple X... × 1997,12,15, Mon
1997年冬、
桑名正博は繰り返される毎日に、何かモノ足らない感じを覚えていた。それはファニーカンパニー(1971〜1974)を解散してから、ずっと付きまとっている、もどかしさにも似た・・・何かだった。 そんなある日、桑名は友人でステージを手伝ってくれている、元桑田バンドの河内淳貴に電話を入れた。「前から思ってたハードロックバンドを作らへんか?」セクシャルバイオレット以来、売れた曲がいつまでも付きまとう煩わしさと、芸能人として認知されてはいるものの、ロック歌手とはほど遠い活動の中で、何時も夢に描いていたのが大人が楽しめるハードロックバンドの結成であった。 早速、河内からインターネットを通じて、曲がひとつ送られてきた。「僕もそんなバンドを前からやりたかったんだ。これはその時のために書き溜めていた中の一曲、気に入ったら使ってね。」それはまさに桑名が描いていたイメージにピッタリの、ハードなそしてブルージーなリフの利いた逸品であった。息つく間も無く桑名は歌詞を書き上げた。「Long ride I'm so tired 時間だけが過ぎてく・・・。」25年以上も、日本語のロックを追及してきた彼ならではの意味深い歌詞。こうして河内と桑名ふたりで、トリプルエックスの創作活動が始まった! We Are The Triple X... 桑名は東京と大阪の行き帰りの新幹線の中、歌詞を書きまくった。「めっちゃ大変」「街の段ボーラー」「空気感染」・・・。どれもシニカルな中に、ユーモアと真実が隠された大人ならではの詞であった。レコーディングは河内の自宅のスタジオで行われ、ドラムスは元スペクトラムの岡本郭男、ベースに田辺モットが手伝いに来てくれた。彼らもまた同じように、今の音楽業界について少なからず疑問を抱いていた。そして、そんな二人がこのバンドに正式に参加する事になるまで、大した時間は掛からなかった。 バンド名はThe Triple X。インターネットのアダルトサイトを意識したネーミング、大人のためのバンドと言う彼らの姿勢から、そう名付けられた。1998年5月、CD「We Are The The Triple X」の発表とともに彼らは本格的に活動を開始した。彼らの長いキャリァが物語る洗練されたステージは、各地、各方面で高く評価されている。21世紀に向けて、彼らは新たな息吹を、日本のロックシーンに吹き込んで行く・・・。
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